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【リクナビ問題】内定辞退率等のデータ提供みたいなサービスはこれからもなくならない

なんだか先日から大きな話題になっているこの問題。政府が調査に乗り出したり参画企業が一部公表されたりと当初予想以上の大騒ぎになっています。

ただ個人的には「え、それを今更騒ぐの?」というのが一番最初に受けた印象でした。

報道を見ていると確かに色々と問題があるなあと思いつつも、「知らぬ間にデータが使われてた!!信じられない!!!」という温度感のニュースが多いような気がするのです(メディアの伝え方の問題かもしれませんが)。

我々が当たり前のように知っておかなくてはならないのは、スマホやPCなど、何らかのネットワークを通じて行う行為はすべてトラッキングされていて使われているかもしれない、ということです。

これはfacebookやGoogleはじめ、ネット企業のビジネスモデルを一瞬でも考えればわかること。それを何をいまさら騒いでいるのか、というのが個人的な感覚。無料でサービス使っておいて今更ギャアギャア騒ぐのって、なんだかムシが良すぎないですかね・・・?

データ活用が効果的に使えれば便利になる

僕らだって日常生活でデータ活用の恩恵は受けているわけですよ。例えばAmazonのリコメンド。これは膨大な消費者の購買データから僕らにおすすめしてくれているわけで、知らない商品と出会えるきっかけでもあります。Google Mapで示されるすべての情報はデータ活用ですよね。

このように、データ活用はこれからの社会をもっと効率的に便利にするためのサービスなのです。何らかの僕らのデータを差し出す代わりにサービスを無料で使える。おまけに僕らの日常生活が少し便利になるなんていたれりつくせりじゃないですか。

今回のリクナビの問題もですね、企業からしたらめちゃくちゃ欲しいデータなわけです。だって国内一の優良企業であるトヨタ自動車が買うくらいですからね。それくらい、学生は平気で内定辞退するんです。僕はいつも機会があれば言ってるんですが、内定辞退って婚約破棄みたいなもんですからね。学生一人に内定だすために企業がどんだけコストと労力を割いてると思ってるんだ、と。

勿論、就職先をどうするかは学生にとっては人生を左右する一大事。慎重に考えるべきでしょうし内定辞退そのものが悪いとはいいません。ただ、自分の軸も定まらないのに就活して行く可能性が低い会社の内定もらっちゃうのがまずいんですよね。ただまあ、これはもう学生だけの問題じゃなくて就活業界全体の非効率性の問題だと思います。

僕も学生さんとは色々接点持ってますが、ずっと思ってるんですけど、やっぱり日常の行動や過去の活動履歴が将来にそのまま影響してると思うんですよ。だって、ベンチャー企業の記事ばかり見ている優秀な学生がトヨタに内定もらっても、多分ベンチャー行きますよ(笑)。少なくとも可能性は高いですよね。

学生なんて自分の職業適性やキャリア観なんてほぼ持っていないに等しい。本当は持ってるんでしょうけど、まだ磨かれる前だから言語化出来ていないし自覚も出来ていない。そこを、過去の行動履歴データから最適なマッチングができるなら、企業にとって嬉しいし学生にとっても嬉しいんじゃないかと。

だから正しく運用されれば、日本の採用活動の非効率化を緩和できる素晴らしいサービスになるはずだったんです。

リクナビ問題のここがまずい

というわけで、僕はこのサービス自体は悪いとは思いません。ただ今回のケースは幾つかまずい点があります。
報道でよく言われている同意のわかりづらさや、一部の学生にはその同意すらとれていなかった、というのは確かにまずい。それはもうここで述べるまでもないでしょう。

まず個人的に炎上燃料だなと思ったのが、このサービスが企業にしか提供されておらず、しかも有料(さらに高額)であること。
上記の通り、日本のクソ無駄の塊のような採用活動をベストマッチングで効率化させる素晴らしいポテンシャルを持っているサービスなのに、企業にしか向いてない点ですね。

ちゃんと明示した上で、学生にも同様のサービスを展開すればよかったんですよ。例えばDMPフォロー機能のオンオフを学生が選べて、オンを押すと自分のデータが使われる代わりに自分もよりプレミアムなマッチング機能が使える、とか。

裏側でどんなデータマッチングのロジックが走っているのかはわかりませんが、何らかの理論に基づいて企業には内定辞退率を割り出してるはず。それと同じようなことを学生に開放する。ちゃんと説明する必要はありますが(そして学生が理解できるかという問題はあるとはいえ)、これこれこういう理論に基づいて、あなたと似たような先輩が受けている企業、みたいな機能を表示する。その際、分析に使う因子のグラフがビジュアルで表現されているとなおよいですねー。

そしてもう一つの致命的な問題がこの機能が個人を特定できる状態で企業に提供されていた点。「選考合否には使わないよう企業に同意してもらっていた」とか言ってますが、リクルートさん、説明が苦しすぎませんか(笑)。使うに決まってるでしょう。むしろ使わなかったらアホだと思うしそのために高いお金払ってるんでしょうと。

これが個人が特定できずにWeb-DMなどのマーケティング機能として使われているんならまだわかるんですよ。ハイグレード版DMとしてね。「過去に内定を出した学生と近い学生」という感じで、Web広告用語でいう「類似オーディエンス」に対してDMやバナーを出す、みたいなね。それなら別にこんなに問題にならなかったでしょう。

ただまあ、企業の採用担当者ってWebマーケティングの知識はなかなかないだろうしマーケティング企画じゃあ売れないと思うんです。そういう意味で、禁じ手である内定辞退率予測サービスに踏み込んだんだと思うんですが、これはちょっと時期尚早だったかもしれませんね。

ただのマーケ企画ならともかく、人の人生、しかも社会から守られるべき(とされている)学生の人生を左右しかねない企画ですからね。まあ、炎上やむなしといったところでしょうか。リクルートさんはこれ、予想してなかったのかなあ・・・。頭のいい方々だから予想できたと思うんですけど・・・。

ただ、今後確実にこうしたHRTechはどんどん社会に出てくるでしょうし、今回の騒動でデータの活用そのものが否定されるのはちょっと違うなと思うわけです。

以上、個人的雑感でした。

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