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四畳半神話大系と大学時代の思い出

四畳半神話大系

森見登美彦原作の「夜は短し歩けよ乙女」がアニメ映画化される。主演声優は今をときめく星野源。そして制作は同じく森見登美彦原作の「四畳半神話大系」制作チームで、主題歌も同じくASIAN KUNG-FU GENERATIONだ。期待するなと言う方が無理だってもんだ。

四畳半神話大系は京都の大学生が主人公だ(森見登美彦は京大出身)。1話完結のオムニバス形式で「薔薇色のキャンパスライフ」を求めて主人公は毎回設定が変わりあらゆるサークルに加入する、いわゆるループものだ。

ただ、どのサークルをたどっても、ほぼ同じようなオチに帰結する。そんなアニメだ。

僕も求めてた、薔薇色のキャンパスライフ

僕は高校時代、ボクシング部で3年間汗を流した。正直向いていなかったので弱かったけど、他にやることもなかったし、個人技で痛みを我慢して相手に殴りかかればよかったのであのスポーツは嫌いじゃなかった。ただ、高校生活が終わり、暗黒の浪人時代を通過して念願の一人暮らしを獲得してスタートした大学生活。これまでの人生では縁のなかった色っぽい生活をしたいと思い、僕は文化系のサークルに入ろうと思った。

とはいえ、格闘技は好きだったし、ボクシングの次はキックをやりたかったので浪人時代に心酔していた空手をやることは決めていた。空手と文化系の掛け持ちで忙しい毎日を送ってやろうと、そう思っていたのだ。今の学生さんはサークルの掛け持ちって当たり前っぽいが、僕の時代はそこまでメジャーでもなかった気がする。

で、僕が選んだのが美術サークル。絵を描くのは好きだったけど何か内向きっぽい気がして今まではあまり真面目に描いたことがなかった。でも同好会なら、同じような趣味の人たちが揃っているわけだし、いろんな刺激がもらえるかもしれない、と思ったのだ。

しかし、続かなかった。

僕が行った美術サークルはそんなに規模も大きくなかったが、部員の半数以上は女性で、とても綺麗な先輩とかもいて「ああ、これが大学生かあ」と思ったものだ。新歓の飲み会に行き、カラオケでオールをした。高校時代は男だらけだったし、少しだけ先に加入していた空手も100%男。そんな男だらけの環境に慣れていた僕が狭いカラオケルームの中で綺麗な女の先輩と同じ空間にいることに罪悪感を覚えたし、ひょろひょろなのに何だかやたら偉そうな男の先輩に対して内心「お前、偉そうにしてるけど、強いのか?」とか思ったりした。

兎にも角にも、全く自分には合わないのだと思ってしまったのだった。

その後、キャンパス内で先輩に会うと「また今度来てね」なんて声をかけられるも、それも二度ほど続くとあとはお互い見て見ぬ振りをしてすれ違うだけになる。大学生活の人間関係なんて、そんなもんなのだと気付く頃には、入学当初に思い描いていた大学生活を自分は送れないのだなとぼんやりと考えるようになっていた。

人は移ろいゆく

2年生になり、1年生の時に知り合った何人かの友人が大学を辞めていた。特に本人から聞いたわけじゃなかったから真相はわからないけど、前から「つまらない」「行く意味がわからない」と言っていたから、きっとそう言うことなのだろう。

高校時代の友人が二人死んだ。一人は自殺で、一人は事故死だ。大学に入ってから知り合った人でも死んだ人がいた。小学校の頃から飼っていた犬も死んだ。

どうしようもない孤独を感じ、誰とも喋りたくなくなって、サンドウィッチを一人でキャンパスの芝生の上で食べた日も多かった。

結局四年間続けた空手は入部した時より規模がだいぶ大きくなった。先輩よりは強くなったけど、後輩に抜かれた。何人かの女の子が僕の部屋にやってきて去っていった。音楽鑑賞の趣味はずっと続いていて、多分四年間で300枚くらいCDを買った(中古だけど)。そういえば友人たちとバンドも組んだ。速攻で解散したけど。

いろんな人と知り合ったけど、結局今でも付き合いがあるのは本当に仲の良い友人数人だけだ。とはいえ、彼らともそれぞれ住む場所がバラバラだからここ数年会っていないけども。

新入生の時にクラスで作成した自己紹介パンフレットを、僕は今でも持っている。その時の希望と可能性に満ちた思いを僕は今でも忘れないし、あれが嘘だと言うつもりもない。
なぜなら、僕は大学生活を僕なりに愛していたからだ。何かを成し遂げたわけでもないのだけど、あの四年間がなければ今の僕はない。あの頃に溜め込んだ不満とか怒りとか、あるいは頭の中にあるフラストレーションを具現化する方法は、今の仕事に生きていると本当に思う。

大学生活は可能性に満ちている。あらゆる可能性に満ちている。それは、大学生となった全ての大学生に与えられる特権だ。
ただ同時に、完璧な大学生活なんてものなんてありはしない。誰もがその可能性と現実の自分とのギャップに苦しむものなのだ。そしてそれで、正解なのだと思う。

そんなわけで、四畳半神話大系の再放送の最終回を、これからまた見たいと思います。

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