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人は変わるとして、それでも好きでい続けられるか「あげくの果てのカノン」

米代恭作。「月間!スピリッツ」にて連載中。2016年11月現在、2巻まで単行本刊行中。

この漫画、ちょっと前からネットで話題になってるのは知っていた。そして僕も気になっていた。表紙絵がなんとなく終末観を感じさせるし、主人公の女の子がとてもピュアそうで、でも絶対悲劇的な運命が待っていそうで、さらに名前の「カノン」。パッヘルベルのカノンを一瞬でイメージしてしまい、あの曲の持つ退廃的で耽美的な世界観が一瞬で頭の中で展開されるのだ。

そう、きっとこの漫画は、退廃的でピュアで刹那的で終末的で悲劇的で、でもそれでもキラキラと美しい物語にちがいないー。

ところが、読んでみたら一部合っていて一部全然違っていた。なんと言うか、ものすごいカオスな漫画だった。

「SF×不倫」と題された漫画

この漫画の売り出し方は「SF×不倫」らしい。確かにそれは合っている。ゼリーという謎の生命体によって危機を迎えた世界で戦う境くん。そしてその境くんに、高校時代から恋しているカノン。
それだけの設定ならどこにでもありそうな終末的恋愛漫画なのだが、この漫画はそっからがちょっとイかれている。

まず境くんが序盤からどこか不穏だ。ナンパ者というか、ノリが軽い。チャラい。目はどこか遠くを見ているようで、謎が多くて、狂気が見え隠れする。
そしてまた、カノンがイかれている。境くんのストーカーであり、喪女であり、ヒロインとしての可愛げは皆無だ。

そして境くんは結婚している。まあだから「不倫モノ」というジャンルでも捉えられるわけだが、正直、不倫モノという見え方はあまりしない。それよりもなんだか色々とカオスで衝撃的な展開が続いていくからだ。

人は変わる。それを前提として好きでい続けられるものなのか

ネタバレしないようにしたいので詳細は避けるが、この漫画のテーマはこれなんじゃないかと思う。望む望まないに関わらず、人は、変わる。ひょっとしたら、悪い方に変わる。壊れていく。

境遇が変われば性格も変わるし、考え方も変わる。恋愛において、どちらかが変わるということは、もうどちらかは取り残されることを意味する。

この、取り残された方というのはとてつもなく孤独で惨めで悲しい。
立場が異なる恋愛の場合はなおさらだ。どちらが上とか下とかがあるわけじゃないんだけど、取り残された方は「傷つけられた」「裏切られた」と感じてしまう。

いつまでも同じままでいれればいいのだけど、残念ながらそうはいかない。そして進む先が破滅だとしても、それでも好きになってしまったら止められない。

なんつうか、この漫画のテーマって、そう言うことだと思うのだ。変わっていく相手に対して、「あげくの果てに」、どんな結末を迎えるのか。
楽しみですな。

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