メルカリ始めました▷

【kindle unlimited】ストロボライト(青山景)

2013年に刊行された青山景の一巻完結漫画。作者である青山景は、2011年に32歳の若さで自殺している。kindle unlimitedで無料で読めるのでオススメ。

男と女で異なる、人を好きになる理由

この漫画はすっと読めてしまうのだけど、実は結構に難解な物語の構成をしている。気付かなければそのまま読んじゃうんだけど、一旦物語の時間軸と視点の入り組んだ構造に気づいてしまうと、なかなかに難解な漫画となっている。

物語面だけ取れば甘酸っぱいボーイミーツガールものだ。小説家、浜崎正が自らの過去をテキストとして綴っていくスタイルで過去からの物語が語られていく。

僕たちの現在と過去、過去と未来、それぞれはそれぞれに繋がっていて、相互に影響し合っている。作中ではそのつながりを「テクスト」と呼んで小説家である主人公浜崎の言葉として表現されている。

小説家を夢見るものの、好転しない日常にイラつく毎日を送る浜崎。そこへ、彼が大好きで影響を受けまくった映画でヒロインを演じていた少女、町田ミカと出会う。ミカは女優としての人生には見切りをつけており、普通の大学生として生活をしている。

浜崎は町田に恋をするが、それは女性としての町田ミカなのか、憧れの女優であった町田ミカなのか。町田ミカが過去に持つ「テクスト」に恋する浜崎に対し、町田は過去とのテクストではなく、現在の自分自身を見て欲しい、と浜崎に願う。何しろ町田は、過去のテクストを切り離して今を生きているからだ。

テクストで物事を考える男性と、あくまで現時点の点で捉える女性の価値観と視点の差。僕個人的には、過去も含めてその人の魅力なわけだし、浜崎くんの気持ちもわかるんだけど。

浅野いにお世代。死んだ作者。

冒頭で書いた通り、この作者である青山景は2011年に自殺している。生まれは1979年。実は、僕と同い年だ。僕と同世代の漫画家で有名な人だと浅野いにおがいる。今を生きる若者の漠然とした絶望と狂気、日常と紙一重のところに存在するカオスな世界。

浅野いにおもロックンロール好きな漫画家で、この青山景も、おそらくきっとそうだと思う。いや、どこにもそんな言及ないんだけど、「ストロボライト」ですよ。スーパーカーの名曲から取ってるに違いない。

そしてもちろん、このブログのタイトルも、スーパーカーの名曲からなのだけど。

そういう意味で、僕らの世代の「なるようになるさどうせ」っていう厭世観を体現した、90年代ロックファンが好きな人にはオススメな漫画。

ストロボライト

ストロボライト

posted with amazlet at 16.08.13
太田出版 (2013-10-16)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です