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【kindle umlimited】特攻の島(佐藤秀峰)

海猿やブラックジャックによろしくなどで知られる佐藤秀峰の不定期連載漫画。2016年8月現在、8巻まで刊行されている。

第二次世界大戦、人間魚雷、回天

この漫画は、第二次世界大戦末期に実在した日本軍の兵器、「回天」を扱った漫画だ。日本初の特攻兵器、ということになるらしい。主人公である青年、渡辺は自ら志願してこの回天を扱う軍に入り、その中で繰り広げられる人間ドラマの中で、「自分は何のために死ぬのか」を自問自答し続ける。

回天は、いわゆる特攻兵器である。魚雷に人間が乗り込むことができるようになったもので、発射されたら最後、敵船に激突して操縦士もろとも爆発する。特攻兵器というと神風特攻隊の方が有名で、飛行機ごと突っ込む姿は人々に強い衝撃を与えてきた。実際僕も、神風特攻隊は知っていたけど、この回天はこの漫画を読むまで知らなかった。「人間魚雷」という言葉は聞いたことがあったけど。

魚雷なので、海の中を突撃して行って相手にぶつかることになる。当然ながら、飛行機のように目視しながらリアルタイムに俊敏に軌道を修正しながら突撃して行くことは困難で、なおかつ動いている船を攻撃するのは至難の技であった。結果、87名の若者(平均年齢21歳)が出撃して命を落とした割に、撃沈できた米国艦は3艦のみ。戦後の調査によると、激突率はわずか2%だという。

神風特攻隊は3860人が突撃し、16%が敵艦に激突した。犠牲者と戦果という意味では確かに神風特攻隊の方が上回るから、回天より有名なのは頷けるのだが、これはあくまで個人的な印象だが、空を舞い敵に突撃していく神風特攻隊が美しく美談として語りやすい一方、深海を疾走して暗闇の中突撃する回天はあまりに稚拙で、戦時中の日本軍の暗鬱とした狂気っぷりだけが印象に残る。日本人としては、目を背けたいだけの事実なのではないだろうか。実際、回天はほとんど戦果をあげていないのだし。

何の為に死ぬのか

こうして考えると、まるで神風特攻隊の方が素晴らしくて、回天は無駄死にしているような印象を受ける。ただ、どちらにせよ殺人兵器であり、なおかつ狂っているのが日本国のために自分の命を捨てることを前提に突撃していく点だ。
この漫画にも、青年たちが国のために「自分が乗らせてください!」と必死に志願するシーンが何度となく出てくる。この辺りは時代背景もあると思うけど、全く理解が出来ない。そしてこれは僕だけじゃなくて、2016年現在を生きる日本人の多くが理解できない点だろう。

「日本人ほど、日本批判が好きな人種はいない」という言葉を聞いたことがある。僕たちは、心のどこかで自分たちにコンプレックスを持っているし、「日本のために死ぬ」と言える人なんてほとんどいないだろう。実際のところ、戦時中の日本の若者がどこまで「お国のために」と思っていたのかは正直よくわからない。「非国民」と言われたなくないから言わざるをえなかったのかもしれないし、心の底から「お国のために死ぬ!」と思っていたのかもしれない。

戦前と戦後で、日本人の精神性はきっと物凄く変わったのだろう。だから僕には、彼らの思考は全く理解できないのだ。

そして、現代人の僕らの声を代弁するように、この漫画の主人公である渡辺は「自分は何のために回天に乗るのか?」と自問自答する。回天に乗る=死ぬことなので、つまりは「何のために死ぬのか」だ。国のためなのか、愛する家族のためなのか。
上述した通り、この漫画はまだ終わっていないので最終的にどういうラストになるかはわからないけど、8巻まで読んだ限り、彼はある一つの答えに行き着く。

kindle unlimitedで読めるので、終戦記念日に読んでみるのも

この漫画は、前回お伝えしたkidle unlimitedで全巻読める漫画だ。といっても、佐藤秀峰の漫画は全てオンラインで無料で読めるのだけど。本当にオススメなので、是非読んでみてほしい。一流の漫画家で、こんな力の籠った作品が無料なのは、ちょっと奇妙な感じがするレベルだ。

奇しくも、あと数日で終戦記念日。日本中が黙祷を捧げる日だ。僕は本当にたまたまこの漫画を手に取った。あくまでunlimitedを試して見るかーくらいのノリで読み始め、面白くて一気に読み進め、まだ完結していないことに絶望した。いや、8巻に至るまでの盛り上がり方を見てたら、8巻がラストだと思いますよ・・・。早く出してくださいよ、9巻。。。

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