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【ちょっといい話】仕事をしてきて嬉しかった事

社畜とかブラック企業とか、仕事をする事ってしんどくて大変な事だと思っている学生が多いように見える。

勿論、仕事は大変だし嫌な事も山ほどある。でも、一周回って仕事は楽しいと僕はいえると思っている。あくまで私の体験談となるが「ああ、やっててよかったなあ」と思えた仕事の話をご紹介したいと思う。

必死に考え、初めて取り組んだ案件

僕が社会人3年目の時の話だ。僕のクライアントの某大手マスコミ企業。それまで中小企業ばかりを相手にしていた僕にとって、誰もが知る大企業を担当するのは光栄でありつつも不安との戦いでもあった。

謙遜なく言うと、当時の僕の社会人としてのスキルやノウハウは全く大したことなかった。そのクライアントを担当するにはふさわしくなかったと思う。実際、経験豊富な先輩から引き継ぎを行って、クライアントの担当者が明らかに僕を軽く見ているのが伝わってきた。

ただその分、必死だった。何をすればそのクライアントにとって有益なものになるかを必死になって考え、企画にし、クライアントにぶつけ続けた。

その結果、クライアントにとっても初めての、マーケティングイベントを実施することになった。「こういうのやったことないけど、ご提案の通りチャレンジしてみようと思いますよ」と言ってもらえた時は、飛び上がるほど嬉しかったのを覚えている。

イベントは成功。しかし、その後にトラブルが起きた

自分で企画して、クライアントと一緒に二人三脚で進めてきたイベント。結果的には大成功となった。イベントには大勢のお客さんがやってきて、待機列を作ったりクライアントも大声を出して説明したり、イベント中は昼弁当を食べる暇もないほどお互い必死になって一瞬で過ぎていった。

心地よい疲労感とともにイベントは夕方に終了し、「落ち着いたら打ち上げしましょうね」などと言いながら僕は会社に帰った。オフィスの机で一眠りし、溜まっている仕事をこなして
いった20時頃。クライアントからメールが入った。

「念のため来場者の人数をカウントしたら、集計してもらった数と参加票の数が合わない。今更もうどうしようも無いですが、ご報告まで」

イベント来場者はIDつきの参加票をプリントアウトして持ってきていた。参加者の受付と参加票の回収、そして集計を僕の会社で担当していたのだ。完全にこちらの落ち度だ。

僕は一瞬で冷静になり、すぐさまクライアントに電話した。もう僕は帰宅したものだと思っていた彼は驚いていた。「今から伺います。原因を突き止めましょう」と僕は言ってすぐに先方の会社に向かった。

会社に着くと、「まあもう、誰もいないから」と言って特別にオフィスに入れてもらえた。そこではチームメンバーの皆さんがすっかりくたびれた表情で「遅くまでお疲れ様ですー」と言っていた。正直、メールをもらった時は怒っていると思っていた。ただみなさんは暖かく(くたびれてはいたが)迎え入れてくれて、「さて、メールした通り、数が合わないんですよ」と僕たちは原因の究明に入った。

あの時のビールの味を、僕は忘れない

念のため、参加票を再度カウントし、僕らが報告した参加者人数と見比べる。確かに、数が合わない。僕らが報告した参加人数が1名多い。考えられるのは、回収した参加票を紛失したか、カウントを間違えたか、だ。
紛失したとしたら大変だ。僕らはイベントで使った備品を全て取り出して、参加票がどこかに紛れていないか探した。しかし、見つからない。こうなると僕らがカウントを間違えたということになるが、それは本当に間違えたのかどうかの確証が取れない世界の話だ。「こればかりはわからないですね。参加票の数が正とするしかないですね」とクライアントも言ってくれたが、正直、どこか気持ち悪い。折角イベントは成功したのに、こちらのミスのせいで後味が悪いものになってしまう。

しかし、そこで僕はひらめいた。カウントは、参加票に印字されているバーコードをリーダーで読み込で管理する。バーコードに、参加者固有のIDが採番されており、リーダーで読み込むとエクセルにIDナンバーが打ち込まれていくのだ。で、参加者数はこのナンバーの数で集計していた。

「エクセルファイルを見れば、ミスが特定できるかもしれない」。僕は受付係が使っていたPCを引っ張り出してきて、ファイルがまだ残っているか探した。結果的には、エクセルファイルはちゃんと保存されていた。ピボットテーブルでIDが打ち込まれている行をピボットテーブルにかけてデータの数を調べると・・・あった。

何かの拍子で、同じIDを2回カウントしていたことがわかった。数が合わない理由は、これだ。思わず、オフィスにいた数名のチームから拍手が起こった。と同時に、安堵のため息も全員から漏れた。
「一杯やりましょう」クライアントは冷蔵庫から缶ビールを取り出してきて全員に配った。普段はビールを飲めない僕も、この時に最初の一口はとても美味しかったのを覚えている。
まあ、二口目からは相変わらず不味かったけど。

「正直、最初はいい加減な仕事すんなよって思いました。でも、こんな時間に来るとは思ってなかった。もう、それだけで十分だったのに、原因まで解明してみせてくれたのは見事です」
もう、恐縮するしかない。もともとは僕らのミスだったのだから。でも、嬉しかった。一緒に何かを成し遂げられたことが、最高に嬉しかったのだ。

「とりあえず、お礼に」と言ってクライアントが僕に手渡してくれたのは、某アイドルの水着写真集だった。売り切れ続出で入手困難だったのだ。
今でもその写真集は、僕の会社で大切にとってある。

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