メルカリ始めました▷

Bitter Sweet Symphony (The Verve)

イギリスのロックバンド「The Verve」が1997年発表した3rdアルバム『アーバン・ヒムス』。この奇跡の名盤に収録されたアルバムを代表する曲。このアルバムは14週連続で全英チャートの1位を独占し、全世界で1000万枚を売り上げる大ヒットを記録。
Bitter Sweet Symphonyもあらゆるロックバンドが90年代で最も重要な曲に選ぶなど人気が高い。ちなみにイギリスの音楽と心理分析の専門家がこの曲を実験体に聴かせて反応を調べたところ、「聴いていると悲しくなる曲」一位に選ばれたらしい。

人生は上がったり下がったり

僕の座右の銘は諸行無常なのだが、基本的にはポジティヴな側面でこの言葉を捉えている。すなわち、辛い事や悪い事もいつか終わるよ、と。
ただもちろん、逆のニュアンスも含んでいる。つまり「いい事もいつか終わる」という事だ。

30年も生きていると日常生活の中での人生の起伏はそんなにない。あらゆる事は経験済みで慣れてしまっている(とか言いながらも予想してないことも時々起こるから人生はエキサイティングなのだが)。処世術なんかも多少は身につけているし、昔は許せなかった事も許せるようになって「丸くなったね」なんて言われる事すら慣れてしまっている。

だからこそ時々、どうしようもなく悲しくなることがある。落ち込むことがある。上がって下がって、人生を消費していくことを知っているからだ。僕たちの挑戦は大抵うまくいかないし、意外とすんなりうまくいったりする。ただ、そんなちっぽけな成功や失敗すら日常の一コマでしかない。ずっと続く栄光はないし、悲しいことも寝たら忘れたりする。

そんな積み重ねも、俯瞰して全体として捉えると、一つの大きな曲になったりするのかもしれない。
大失敗していたり、イマイチだった奴がいつの間にか成功していたり、成功していた奴があっという間に凡庸でつまらない人になっていたりする。酸いも甘いもごちゃ混ぜになって一つになる、それが人生。
そんな、曲。

人生いろいろあったリチャードアッシュクロフト渾身の一発

このVERVEというバンド、まあつまりフロントマンであるリチャードアッシュクロフトありきのバンドなのだが(失礼!)、彼は彼でいろいろあったようだ。
マンチェスター出身の彼は、多くの若者がそうであるようにロックバンドに憧れ、そしてバンドを組んだ。ただまあ、80年代後半から90年代にかけてのイギリスワーキングクラスにはそんな若者はそれこそ吐いて捨てるほどいたわけで、ほぼすべてのロック少年たちは夢とともにギターを取りながらも大抵は失望し、失業保険で食いつなぎながら平日は工場でクソみたいな仕事をこなし、土日に酒とドラッグとセックスに興じ、また日常の中に戻っていくのが関の山だった。

リチャードもバンドは組んでデビューしたところまではよかったものの、結局うまくいかずバンドは解散。ドラッグ中毒に陥り肉体的にも、精神的にもお財布的にもどん底。寝泊まりする家もなく女の家や友人の家を渡り歩く日々が続いていたという。実はそんな彼を信じ励まし続けていたのがあのoasisのギャラガー兄弟という素敵な裏話もあるのだがそれはいいとして。

ただ、リチャードは終わらなかった。再度バンドを結成し、この世紀の名曲を生み出した。どん底を舐めてきた彼だからこそ生み出せた歌詞の世界観や耽美なメロディーも美しいが、サイケデリックにストリングスという組み合わせも新鮮だし、何よりリチャードの力強くも諦念に貫かれたヴォーカルが素晴らしい。

あれからそろそろ20年。未だに聞き続ける名曲

と、こんなことを何となくつらつら書いていて今気づいたが、この曲がリリースされてからそろそろ20年が経つわけで、僕のこの20年もそこそこビターでスウィートなこともいろいろあったがシンフォニーになっていたかどうかはよくわからず。

ただこの20年、僕はおりにふれてこの曲を引っ張り出して聴いてきた。かつてはCDディスクだったし、ある時からMDディスクに変わって、今ではそれがMP4のデータになってしまった。
ただそれでも時を超える名曲というものはいつまでたっても色褪せないもので、この曲がかかると僕はいつだってあの何もなくてすべてがあった大学生活に戻ることができる。

まあ、それすらも錯覚なんだけど。結局、人生は続く。そういうものだ。

アーバン・ヒムス
アーバン・ヒムス

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