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風の歌を聴け(村上春樹)と人生について

風の歌を聴け

「風の歌を聴け」という小説がある。

言わずもがなの人気作家、村上春樹のデビュー作だ。
一般的にはノルウェイの森や、最近だと海辺のカフカなどが有名だし代表作と呼ばれると思うのだが、僕が好きなのはこの風の歌を聴けから始まる通称「青春三部作」と、その流れを受けた「ダンスダンスダンス」だったりする。

このブログは記事のカテゴリーとして就活以外にも漫画や音楽などがあるが、書評的なものはない。というのも、僕が読書家ではないからだ。
ただ、村上春樹に関しては学生時代に結構な勢いで読みふけったことがある。というわけで、今回はこの小説と、僕の人生観についてゆるりとお話したい。

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喪失の物語

村上春樹の小説、特に以前の小説は「喪失がテーマ」と評されることが多い。
主人公たちは何かを失う。そして僕たちも生きている以上、何かを失っていく。

はっきりとした絶望や悲しみを描くことは村上春樹作品においてはない。物語の進行上、おそらく主人公たちも深く悲しんでいるのだと思うが、例えば登場人物が慟哭したり号泣したり、といったシーンは、僕が覚えている限り一度もない。せいぜい、ひっそりと泣いている、くらいだ。

それは、失う、ということが人生において必然とあるものだからだと思う。生きているすぐ傍に、そっと寄り添っている概念が喪失なのだと思う。唐突に奪われたり消えてしまうのではなく、当たり前のように僕らは失う。生きている以上、失うのだ。僕たちはそれを受け入れるしかない。それをドラマティックに演出する必要など、ないのだ。

この物語でも出会いと別れがある。そもそも、ヒロインとでもいうべき女の子は指を一本失った状態で登場する。なぜ失ったのかについては一切触れられていない。必然だからだろう。また別れのシーンについても劇的には描かれない。

僕の座右の銘

以前、どこかで書いたことがあるかもしれないが、僕の座右の銘は諸行無常だ。全ては、いつか終わる。これは何も世の中を悲観しているわけではなくて、僕としてはどちらかというと希望の言葉だと捉えている。辛いことも、いつか終わるのだ。だから、今は耐えよう、と。

ただある意味、喪失と寄り添う覚悟を決めた言葉だとも思っている。残念ながら、僕らは常に何かを失い続けているし、最終的には自分自身を失うことによって人生は終わる。

今自分がしていることもいつか終わる。
今自分と一緒に居る人ともいつか別れる。

想像してみてほしい。おそらく、しんみりと、なんとも言えないほど悲しい気持ちになると思う。けども、だからといって号泣はしないはずだ。そうしてその時が来た時に、僕たちは何かを感じて、泣くのだ。

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