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海猿(佐藤秀峰/完結)

小学館の少年サンデーにて1999年から2001年された漫画。海上保安官である仙崎大輔が主人公。海難救助を中心とした海上保安官の活躍を描く。映画やドラマなど実写化されており、そちらも大ヒットしたのでそっちのが有名だと思うが原作は漫画。そして個人的には漫画版の方が数十倍面白い。

命とは

この漫画は基本的には人の命を助ける漫画だ。しかも、海。船の転覆を始め、次から次へと海難が起きて、その都度主人公の仙崎くんが助けに行く。
そして、この助かる瞬間がたまらないカタルシスなのだ。なぜかというと、人が死ぬからだ。

この漫画では助かる命がある一方、助からない命も描かれる。命への希望を訴えながら、無残にも死んでいく人たちがいる。
だからこそ、その対比として繋がった命があまりにもまばゆい。
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悲惨な事故、絶望的な海の底。奇跡を信じて見守る人々とそれをあざ笑うかのように無情にやってくる第二、第三の事故。
呆然と絶望。悲劇と現実。しかしそれでもまだ可能性があるのならば、と深い海の底で潜る仙崎くん。

圧倒的な画力と怒涛の展開の末に描かれる「生きています!!!」というシーンに、何度目頭が熱くなったことか。
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止まらない系漫画

久々に本棚から文庫版の海猿を引っ張り出して読み出した。僕は最近、本棚にある漫画を片っ端から取り出して、風呂に入る時に読み直すことにハマっている。そして、この海猿の順番が来た、と。僕が持っている海猿は文庫版だ。つまり、一冊一冊がとても長い。換算したことないが、単行本3冊分くらいで一巻なんじゃなかろうか。つまり、読むのにそれなりの時間を要するのだ。
だがしかし、久々ということもあるのだろうが、毎回のごとく、「止まらない」。次から次へとページをめくりたくなる。
僕は長風呂が得意なタイプではなくすぐのぼせがちなのだが、途中で止めるわけにはいかない。それくらい、止まらない。分厚い文庫本を丸々一冊読み終わるまでは出れないのだ。
おかげで、最近は風呂から出るたびにのぼせてフラフラしながら出る羽目になる。

仕事への誇りはあるか

幸い、僕は海難というものにはあったことがない。そもそもインドアだし、泳ぎが得意なわけでもないから海もプールもそんなアグレッシブにエンジョイするタイプではない。
すこーしチャプチャプして、楽しそうにはしゃぐ人たちをぼんやりと眺めているタイプだ。

だから船とかに乗ってその船が事故にでも合わない限り、一生海難と会わずに済むだろうとは思っている。
ただ、想像してみる。自分が深い海の底に引きずり込まれ、息ができず、思うように手足が動かない。あたりは真っ暗になっていくところを。

はっきり言って恐怖しかない。そんな状況の中で冷静でいられるはずがない。

この漫画で描かれる海上保安官という仕事は本当にある。実際、映画版海猿が大ヒットし、海上保安官を志す若者が増えたとか。
そんな仕事をしている人を、本当に尊敬する。

そして、ヒロイン美晴ちゃんの仕事へのスタンスも素晴らしい。
彼女は新聞記者で、自分の仕事に葛藤を感じながらそれでも記者としての仕事に邁進する。

被害者となって命を落とした人たちの遺族への取材。それは一体本当に書かなければならないことなのか。
遺族の心境があるのに電話を繰り返し、冷静に情報を収集することは正しいことなのか?
悲劇という事故を目の前に、新聞記者の書く記事に価値はあるのか。

仕事に対する不満や疑問なんて誰でも持つものだ。
しかし、”命”という究極の問題を前にする仕事で人はどんなことを思うのか。

自分が実際にその局面に立った時、自分が何を思ってどんな行動をするのか、全く想像がつかない。

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