in Rainbows(Radiohead)

2007年リリース。イギリスのロックバンドRadiohead、7番目のアルバム。インターネットによるダウンロード販売、なおかつ値段は買う人が自由に値付けできるという斬新すぎるセールス方法が話題を呼んだ。

このアルバム、実は僕の中でも、そしておそらく世間の中でもRadioheadのベストなアルバムというわけではない。ちなみにこのブログサイトではRadioheadのことは一度も取り上げていない。で、何故このアルバムについて書こうと思ったかというと、世の中を変えるには多少強引じゃないとダメなんだなと思っているからだ。そう、このアルバムは、ある意味で世界を強引に変えたアルバムだと言えるのだ。

文字通り世界のあり方を変えたアルバム

冒頭の紹介でも書いたが、このアルバムはダウンロード販売、そして値段はユーザが自分で値付けできるという方法でリリースされた。値段を入力する画面が出てきて「Up to you」と書かれているのだ。この仕掛けには、正直シビれた。

時代背景としては、ipodで音楽体験を変えてみせたappleが始めたitunes music storeがまさに世界を席巻している頃だった。2004年にitunes music storeが一部の国でスタートし、日本でも翌年の2005年に始まった。これにより、ダウンロードで音楽を買う、という音楽の消費行動が変わってきつつある時だった。

デジタル配信が始まると音楽の消費のあり方が「アルバム」ではなく「曲」単位になっていくのでは、と当時からよく言われていた。そして違法ダウンロードやファイル共有が問題になってきたのもこの頃。音楽を手に入れるハードルが以前より下がり、CDショップの衰退を始めCDの不況など、音楽業界そのものが地殻変動を起こしているまさに真っ最中だった。そんな中、先進的な音楽でカリスマ的人気を誇るRadioheadが突如として新アルバムリリースを告げ、そのリリース方法がアナウンスされると大きな話題となった。スピンアウトでもリミックスでもなく、正真正銘のオリジナルアルバムが。

in rainbowsがこのような方法でリリースされた理由

このリリースで「革新的だ」と言われたポイントは以下。Wikipediaの引用だけど。

⑴リスナーが価格を自由に決定すること
⑵レコード会社や流通の中間マージンが発生しない(インターネット上での売買という)形態でも販売が行われたこと

また、それらに対して一体何故このようなリリースをしたいのか、という問いに対するメンバーの回答が以下。

⑴「全ての音楽の価値が一律である」事へ疑問を抱いた。
⑵第一に、毎回のようにアルバムが発売前にネット上で世界中に違法リークされてしまうため、「どうせやられるならこっちからやってやろう」「他人に作品を預ける期間を極力減らして手早くやろう」と考えたから 第二に、一般リスナーがメディアと同時に同じ方法でアルバムを手にし、(業界人の評価など)メディアからの先入観を受けずに自らの耳で判断できるから(「全ての人が平等に扱われている」「バンドと一般リスナーを隔てる物は何も無い」「(今までの方法だと)レディオヘッドという足枷(業界人の評価)をはめられて…」等の発言から)

ちなみに、サイトのサーバ管理含め運用の諸々はメンバー自身やごく少数の内輪だけで行ったので、「期間中は火の車で死ぬかと思った」そうだ。いいなあ、きっと、楽しかったろうなあと思う。大変なんだろうけど。

in rainbowsの平均ダウンロード価格は?

さて、やろうと思えば無料でダウンロードできたこのアルバム。実際のところお金を払った人はどれくらいなのだろうか?昔の記事だが、以下ご参照されたし。
[blogcard url=”http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0711/06/news044.html”] これによると、お金を払ってダウンロードした人は、全世界でダウンロードした人の38%だったという。これが高いか安いかは意見が分かれるところだが、個人的には予想より多い数字だ。こう言う試みを粋に感じる人やradioheadの生粋のファンじゃないとお金を払わないだろう。ちなみに、僕は払った。確か1,000円だったと思う。
また後日、ちゃんとCDアルバムとしてもリリースされた。僕は、こっちも買った。一度も封を開けてないけど。こう言う試みは、好きなんです。

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